さや、さーやさーや、

はじめて高田和子さんの音と声を聞いたのは、
高橋悠治リアルタイムのCDにて。
む、ね、は、いま。
もちろん、その後、ご本人から間近で三味線の音、奏法を教えていただく機会も持つことになるとは思ってもいなかった。
あ、つ、くかなしい、かんこであって。
ご病気のことも何も知らなかった。
たけにぐさに。
僕にとっては、いつも「こわいくらい」だった。
細く鋭い目、切り立った音、張りつめた緊張感。
最後にお目にかかったのは、いつだったろうか。
たけにぐさに。
どうか安らかに。
たけにぐさに。
風が吹いているということである。

さや、さーやさーや、