Month: 7月 2006

演奏する身体

昨日の「螺鈿隊コンサート」にお越し下さった方、ありがとうございました。
僕の作品ですが、曲を仕上げていく過程で、もっとできたことがあったかもしれないという心残りがいくつかあり、次の機会に達成できればよいな、と思っています。
そんなわけで、今日はちょっと複雑な気分で一日を過ごしました。
ところで。
打ち上げの席では、たいへんひさしぶりにお会いすることになった箏の沢井一恵先生、インプロヴィゼーションの世界の巨匠、斎藤徹さんのお二人から演奏の本質についての興味深いお話を聴くことができました。
自分自身へのフィードバックは、これから、少しずつなされることと思います。

知らないこと

ずっと前に、知人のSさんが言っていたこと。
「わたしは、「知らないこと」が好きです」
いま、ふっと思い出した。名言だと思う。
聴いたこともない何かを聴くために、遠くへ遠くへ遠くへ。
見たこともない何かを見るために、近くへ近くへ近くへ。

“螺鈿隊”コンサート

“螺鈿隊”という箏の4人組の演奏グループのために、新しい曲を書きました。
7月21日(金)に初演されます。
http://www.radentai.com/
http://www.radentai.com/schedule.html
昨年から演奏団体の委嘱にはすべて”canon for ×××”というタイトルの曲を書くことにしています。今回は、”canon for 52 strings”です。13*4=52 。
ソロの作品はかなり恣意的で非論理的な構成をとっていますが、自分が演奏に関わらないものの場合は、クリアな論理性を好む傾向にあるようです。なぜでしょうね?
箏の音の粒が量的変化を繰り返しながらいくつかの質的変化を生んでゆくような、そういうプログラムを曲に仕掛けています。(たとえば、水は、相転移をして氷になったり水蒸気になったりしますね。)
ご興味ありましたら、ぜひ、どうぞ。(ちなみに、僕の新作の他にも、即興演奏の世界で活躍されているコントラバス奏者、斎藤徹さんの新曲もあって、僕は個人的にとても楽しみにしています。)