News and Memorandum

銀座まで自転車で

オープニングにいきそびれた、粟野ユミト展にようやく。
天気もいいので、銀座まで足こぎ型シボレーでいくことにした。
20号を通って新宿の南口を抜け、御苑の北の道を経由して、富久町の交差点からふたたび20号にもどる。四谷をすぎ、麹町の駅から右折し、平河町から国会の近くをかすめ、三宅坂から皇居の堀沿いを走る。
初台から京橋近くのギャラリーまで20分で到達。気持ちのよいツーリングでした。
ちりんちりん。
渋滞の時間帯に、それにわずらわされずに騒音も出さずに移動できる乗り物に感謝。
さて、展覧会は、とてつもなく地味だった。
噴射されるかすかな霧、それを揺らす風、それらを照らす光、それらすべての影。
awano
5000年とか10000年とかそういう単位の時間を想像することができない感受性の鈍くなった現代人にとって、こういう作品は貴重。

また雨。modulationと自転車。

雨が一瞬やんだすきをみて、自転車で新宿へ。
早稲田の授業には15分の遅刻。
今日は「modulation」を観た。
シュトックハウゼンだとかケージだとかピエール・アンリだとか、きっと「クラブミュージックが大好き」とか言ってる子たちが知らない名前が目白押し。頭のよさそうな奴もバカっぽい奴も同一線上におかれている。
98年の映画だけど、ジャングル、デトロイトテクノについての言及がすごく長いところとか、すでに時代モノになっている感もある。地味にovalが登場してたりもする。
帰りは傘を持っていないので、授業の助手を頼んでいるYさんの傘に入れてもらい高田馬場へ。駅にたむろしている暇そうな大学生から横溢する性欲に強い吐き気を催しつつ、ひさしぶりに山手線に乗る。
新宿についたら、雨はやむどころか激しくなっていた。
雨のなか自転車で帰ったらどんな気分だろうか、純粋に試したくて、南口にとめてあった自転車のサドルの雨を拭い、走り出す。
真上から落ちていたはずの雨が作る垂直の線は走り出すとすぐに傾きをもちはじめ、斜め前から顔を打つ。微かな痛みは、でも、とても心地よいものだった。
同時に水滴が無数の小さな円を眼鏡の外側につくりだす。パークタワーを過ぎる頃には視界はフィルターがかかったように曇っていた。光はにじみ、変形し、数メートル先しか見えないのに、そのまま走り続けた。
もちろん、ずぶぬれになった。
でも、部屋に戻ったとき、雑踏で拾ってきたいやな匂いは体から流されていた。

雨と寝坊

小雨が降ると、この10Fの部屋はとても静かになる。
なぜだろう?
理由はよくはわからないのだけど、車の音や雑踏などが部屋に到着するまでに、雨の層で吸収されるからだろうか?
そもそも、天候に関係なく、遮るもののない10Fの部屋からは街の雑踏がいつも遠い霧のように聞こえている。音の定位もあいまいで、ゆったりとうつろう。ドローンのように。
今夜は、粟野ユミトさん展覧会のオープニングに顔を出そうと思っていたのに、寝坊。気がついたら、21時になっていた。