さて、今日はもう一件。
いま、とてもとても珍しい体験をしている。
それは薬の副作用で「世界の音がすべて半音低くなる」という現象。
これは、それほど少ない副作用ではないらしい。多くは、絶対音感の持ち主たちから報告されている。ある日、PCの起動音が、聴いている音楽が、電話のベルが、すべて半音低くなっていることに気がつく。僕の場合もまずはPCの起動音が低くてびっくりしたのだけれども、「サンプリングレートが変更されたんだろう」と勝手に思い込んでしまった。2台目のPCに電源をいれたとき、さすがにこれはおかしい、と気がつき、あわててピアノをさわってみたところ、ほんとに見事に半音低かったのだった。
僕は特に強い絶対音感があり、この違和感はかなりの衝撃だった。絶対音感のないひとでも、ある日すべての音が半音低くなったら、なんとなくおかしく感じるはずだとは思うけれども、ここまでの衝撃はないだろう。
歌を歌ってみよう。。。
ドレミ、と歌ってみることはできる。。それはピアノのドレミと同じ音だ。ところが、でてきた音を聴いてピッチをとらえるまでのどこかがおかしいらしく、歌っているはずのドレミは「シド#レ」として聴こえてくる。「歌う」ほうに神経を集中すると「ドレミ」、聴く方に意識を集めると「シド#レ」、このアンビバレントな経験!!
んん??と、いうことは、だ。音を聴いてピッチを判断する脳の機能と、あるピッチの音を出す(歌う)という脳の機能は別々の部位が司っていることになる。へー、知らんかったなあ。。
もちろん原因になった薬はすぐにやめたけれども、しばらくこの症状(?)は残るらしい。いずれは消えるものだと思うと、今度はこの状態で、脳に関する実験をしたくなったのだった。最も気になるのは、テンポ感覚はどうなっているのか?という問題。半音低く感じるというのは、つまりは、周波数を通常の状態より低くとらえているわけで、時間感覚そのものが引き延ばされていることが考えられる。つまり1日を24時間以上だと感じていることになるのか?とかね。。
いやはや。続きます。
今、外でミンミンゼミがしきりに鳴いている。この音も半音低いのであった。
同様の体験された方いらしたら、ぜひ、教えてください。。
半音低い世界