木津茂理さん(http://www.shigeri.jp/)のライブを聴きに、
浅草のギャラリーエフ(http://www.gallery-ef.com/)へ。
江戸時代(慶応4/1868年)に建てられた土蔵を改装したギャラリーは、
響きもよく、とても素敵なところだった。
20人ほどのお客さんでいっぱいになった蔵の中、そのかすかなで上品な残響を感じながら、インティメイトな音楽とお話を聴く、とても贅沢な時間だった。もちろんノンPA。
木津さんは唄い、お三味線を弾き、太鼓や酒樽までも(!)たたいてしまう才媛なのだけど、実は僕は生のライブを聴いたのははじめてのこと。
「つるとかめ」の活動のCDを聴いたときにも思ったのだけど、この人の唄は、なぜか痛い。具体的に体のどこかを切られるような、そういうフィジカルな痛みがある。
決して暗い声ではない、むしろ明るく開放的な声で唄う。
にもかかわらず「痛み」を感じる。そして、今日僕はふと、その「痛み」は「悼み」と言い換えてもいいのではないか、と思った。何曲か歌ってくれた子守唄が特に印象深かったのだけど、それも、優しさと痛み(悼み)が同居していたように思う。
唄と唄の合間に、それらの唄への思いや経験を話してくれる。
お話が一段落して唄にうつるとき、表情が一瞬のうちに変化する。笑顔を形作っていたはずの口がいつのまにか唄うための口に変わっている。短い時間のグラデーション。
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木津茂理ソロライブ