Month: 6月 2005

誰も聞いていない・・

昨日、早稲田の授業で学生達がエキサイトする現場をみた。
一見、秋葉系オタクな(失礼か、あ、でもこれは貶し言葉ではないな)子がpuredataを使ったコンピュータミュージックを発表してくれたのだけど、彼の態度をめぐって、血液が沸騰してそうな子が何人かいたのだ。
発表者は、オートポイエーシスに基づいた作曲理論とか、フィードバックし相互作用があるような系を用いたシステムとか、まあ、そういった話を延々をしてくれたのだけど、その内容ではなくて、質疑応答のときの受け答えがちょいと独特で、そのことで他の学生がエキサイトしてしまった模様。国会の証人喚問みたいな質問の仕方にまでなってしまった。
まあ、例によってあんまり介入せずに最後に少しだけ意見を言いましたが。。。
知人に夜その話を雑談でしたところ「盛り下がってるよりはよいのでは?」とのこと。
確かにそうだ。
なんだけど、、それで思い出したことがあってね。
ミーチャンという美術評論家が、彼の夢として語っていたこと。
「だだっぴろい講義室(階段状で、机は横に長いやつね)で、だーれも聞いてないような「美術概論」なんて授業をやりたい。」
ああ、それも素敵だなあ。
学生達は、講義の内容なんて全く興味がなくて、窓から見える初夏の空が青くてきれいだな、なんて思ったり、新入生はせっせと紙をまわして会話したり、今夢中になってる恋愛のことをしきりに考えたり、あるいはわけもなく眠くて眠くてしょうがなかったりする。
そういうの、いいなあ。
すごく、いい。

with piana

そうそう、もうひとつご報告。
海外での人気も高まっているPianaちゃんと一緒に音楽を作ることになりました。
http://www11.plala.or.jp/piana/
2年前、”Snow bird”をCubicmusicのスタッフから手渡しでもらって聴いたのだけど、
あー、とても素敵な音楽だな、と思った。
気恥ずかしくなる直前の感傷を閉じこめたような音楽。
昨年の年末だったか、たまたま海外からのインタビューのオファーを知らせてくれるメールが同報メールになっていて、偶然のようにやりとりをはじめたのだけど、彼女が”Lontano”を気に入ってくれていることがわかり、一緒にやってみようという計画をもちかけました。
冬にはミニライブをするつもりで、夏くらいからぼちぼち作業に入ろうと思っています。

Ooo

これが廃校になった小学校に残されたオルガン。
学校に置かれていた楽器は、毎年毎年違う子どもたちを相手にしていたのだ。
その記憶が鍵盤やベダルに残っているはず。
声高に語らないけど、学校の歴史を見つめてきたこの楽器たちは、でも、
もう触れられなくなって何年もたつはずだ。
一緒に音楽ができることを楽しみにしている、と無言のメッセージを送ってみよう。
“光祭り”当日は9台のオルガンの合奏で、僕が作曲した新しい曲を演奏します。
organ2.JPG