Orion, the Hunter

西の空に落ちるオリオンを追いかけて、自転車で帰宅する。
(久しぶりに丸一日スタジオに缶詰。)
六本木から、表参道、西参道を経由して、代々木の駅前を抜け、
以前住んでいた初台の古いマンションの近くをかすめて。
寒すぎない冬の空気が、きりっと体を引き締めてくれる。
オリオンが沈むころに姿をあらわす星座があったな、と、ペダルをこぎながら考える。
そう、蠍だ。
そして、急に「蠍の火」のことを思い出す。
カンパネルラとジョバンニのこと。
遠い、遠い、遠くでの会話。
もちろん、「ほんとうのさいわいは」「ぼく」にも未だに「わからない」。

Orion, the Hunter