遠くから
新しいCDをリリースすることになって、一番気になっていることは、「果たして、こんなものを出す価値があるのだろうか?」ということ。
当然のことながら作っている間は、この世にある最もよいものを目指しているのだけど、さて、誰かにそれがきちんと伝わるかどうかは発売してみないとわからない。
「出来の悪い子ほど可愛い」という言葉は、作家の言い訳として時として重宝するものだけど、ほんとうは、その「出来」の定義こそが問題。
“lontano”について、しばらく切れ切れに書いてみようと思っている。
銀座まで自転車で
オープニングにいきそびれた、粟野ユミト展にようやく。
天気もいいので、銀座まで足こぎ型シボレーでいくことにした。
20号を通って新宿の南口を抜け、御苑の北の道を経由して、富久町の交差点からふたたび20号にもどる。四谷をすぎ、麹町の駅から右折し、平河町から国会の近くをかすめ、三宅坂から皇居の堀沿いを走る。
初台から京橋近くのギャラリーまで20分で到達。気持ちのよいツーリングでした。
ちりんちりん。
渋滞の時間帯に、それにわずらわされずに騒音も出さずに移動できる乗り物に感謝。
さて、展覧会は、とてつもなく地味だった。
噴射されるかすかな霧、それを揺らす風、それらを照らす光、それらすべての影。
5000年とか10000年とかそういう単位の時間を想像することができない感受性の鈍くなった現代人にとって、こういう作品は貴重。