それぞれのとらえかた
いままでは。
いわゆる「音楽好き」。ジャンルに拘泥することなくたくさんの音源を聴きこんでいるタイプ。クラブミュージックの新しい流れに敏感な若者たち、その多くは男の子であり、年齢のボリュームゾーンは20代半ばくらいといったところ。
そういった子たちが、主に僕の音楽を好んでいてくれるのだろうと思っていた。
最近、うっすらと思うことは、
そのタイプじゃない人もいるみたいだ、ということ。
普段、あまり音楽など聴かない。たまたま耳にした僕のアルバムを「こんな感じのものは聴いたことがなかったな」と感じて、でもその感覚を好んでくれる。「現代音楽」も「テクノ」もあんまり興味なんてないし、知らないし、そもそも音楽にはまったくの素人だという認識をもっている。
ときどきサイトのほうにいただく感想や知人からの話をもとに推測すると、
確かにこういった層もいるみたいなのだ。
そして。
おそらく、この2つのタイプでは、音楽のとらえかたもずいぶん異なるのだろう。
でも。
どちらのタイプも、
音楽用語、専門用語を駆使して説明してくれるひとも、
ふと感覚の狭間から掬いあげた言葉で印象を語るひとも、
それぞれのとらえかたで、
そのままで、
僕にとっては大切な存在に違いない。
——
音楽を通じてのみ繋がっているという関係はよく晴れた冬の朝みたいに気持ちがいい。